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オンライン打ち合わせで仕事と子育ての両立が楽に…捻出した時間の使い道は?【わたしのサステナブルvol.2】

私自身、都内で小学校6年生と保育園年少の子どもを育てながら、女性フション誌の編集者&ライターとして多忙な日々を送っています。人物インタビューやジェンダー、教育、ファッションなど幅広いテーマを取材する中で、仕事と育児の両立に悩むことも少なくありません。

前回は、「義務としての料理」を手放したことで、暮らしにゆとりが生まれたお話をしました。完璧を目指すのではなく、無理なく続けられる方法を見つけることが、サステナブルなライフスタイルにつながるのだと実感しました。

そして今回は、働き方について。コロナ禍を経て、仕事のスタイルも大きく変わりました。オンライン打ち合わせが増えたことで、移動時間や調整の手間が減り、仕事と育児のバランスが取りやすくなった一方で、「やっぱり対面の良さもある」と感じることも。今回は、そんな新しい働き方と、効率化によって生まれた時間の使い道について考えてみたいと思います。


オンライン打ち合わせで仕事と子育ての両立が楽に

どちらの業界でも同じだと思いますが、コロナ禍前まで、雑誌の打ち合わせは対面が基本でした。ファッション誌の場合、例えばカメラマンと編集者は事前にどこで撮影するかなど打ち合わせを行うのですが、一般的によく使われるのは渋谷駅前の「フルーツパーラー西村」や、表参道駅近くの「スパイラルカフェ」。特にスパイラルカフェは見渡す限り同じ業界の人かな? という感じで、知り合いに遭遇することもしばしば。ここでカメラマンはいくつかの打ち合わせを掛け持っているので、30分なり1時間の打ち合わせを終えると次の編集者が……と入れ替わっていきます。


そんな風景が一変したのはコロナ禍でした。多くの打ち合わせはzoomやLINE電話にとってかわり、それまで30分や1時間かかっていた打ち合わせは、画面越しだと何故か15分くらいで終わったりするように。


わざわざ渋谷や表参道まで出向き、コーヒーを注文したら世間話などもしたくなるものです。そんな時間も楽しくはありましたが、夕方の打ち合わせは子どものお迎えを夫と調整し合わねばならず、zoomやLINE電話に代わったことでかなり子育てとの両立は楽に、より持続可能なものになりました。


それまでは、渋谷への行き帰りと打ち合わせで2時間ほどかかって、さらには体力的にも消耗していたところがたった15分になれば、仕事の効率も上がりますし、やりくりすることからくるストレスが減りました。また、会うのが基本だった取材もzoomに置き換わったものがたくさんあり、前後の移動時間が丸ごとなくなった分、稼働時間をかなり有効に使えるようになりました。


「あえて対面」の価値が爆上がり?

一方で、「やっぱり会って打ち合わせや取材をしたほうがいいな」と思うこともあります。無駄話がしづらくなった分、「次にこんなことがやりたいね」というストックやアイデアの交換がしにくくなったように思うからです。また、人間同士ですからやはり生身で会って話してこそコミュニケーションが深まる部分がありますよね。そのときは言語化できなくても、そこで交わした会話があとでインスピレーションとなって形になることも、やはりたくさんあると思うのです。


なので、これからもう一段深いお付き合いをしたいな、と思う場合は積極的にランチに誘ったり、会っての打ち合わせを提案できたりすればいいなと思っています。そこから実際に仕事につながることもあると感じています。軽めの打ち合わせはオンラインで、距離を縮めたい時は対面でなどメリハリをつけると、効率を上げられるだけでなく人とのつながりをより強固にしていけるような気がします。zoomで済むところをあえて対面で提案すること自体が、メッセージになることも。


効率化して捻出した時間の使い道は…

仕事の効率化で言えば、AIの発達によりインタビュー後の文字起こしが格段に楽になりました。前から自動文字起こしはあったものの、精度はイマイチで、結局自分で起こし直しもしていました。人によっては全部文字起こしをしなかったり、ノートのメモだけで乗り切ったりする方もいるそうですが、私はその人らしい言葉遣いを残すこともしたいので、基本的にはすべて起こす派です。その場合、1時間の録音ならやはり1.5倍ほどの時間はかかるので、それがまず原稿を書く際の大きな手間になっていました。


でも今の文字起こしはかなり正確。もちろんそのまま原稿にするわけではなく、再構成していきますが、数分で文字起こしできるのですぐに読み返して全体の流れを思い出し、どこをピックアップするかすぐ決められます。また録音機器も、10年前とは様変わりしました。今はICレコーダーではなくiPhoneとiPadの2つで録音しています。iPadではアプリを入れて、録音しながら打ち込むか手書きでメモ。手書き部分や打ち込んだ部分をタップすると、その部分が再生されます。10年前はメモと録音をそれぞれ確認していましたが、その必要がなくなりスピードアップ。子育てで時間が限られていく分、文明の利器の発達がちょうど追いついてカバーしてくれています。できるだけ新しいものは取り入れるようにして、便利なものは仲間にもシェアしたりも。


これからもきっとどんどんデジタルが発達し忙しさをカバーしてくれるようになるはずですが、効率化だけでなく捻出できた時間で人に会うことも大切にしていきたいな、と思っています。