発酵食品のある食卓

発酵は奥深い!新しい発酵食「醸豆 テンペスト」とは?テンペと違うおいしさと栄養のヒミツ

私が普段から口にしている発酵食品前回の記事では、発酵食品の基本やメリットについて整理しました。 発酵とは、食品が微生物の働きによって変化して、ヒトに有益な作用をもたらす現象のことをさします。されている長い歴史には確かな理由がある。 それは最初に、ちょっと保存が効くということ。 そして、栄養成分が多く、おいしくなるという味の上で大きなメリットがあること。作用や免疫力向上、食材の吸収率を高める効果も期待できることもお分かりいただけたかと思います。ことができるのです。


そこで今回は、奥深い発酵の世界を広げるために、新しい発酵食品の話していきたいと思います。 それは、じっくりな発酵技術によって誕生した植物性発酵食品「醸豆テンペスト」について。なメリットや魅力があるのかをわかりやすく説明します。

おいしい、栄養アップ、消化によい「アラネア発酵」とは?

発酵豆食品「醸豆 テンペスト」

(写真:発酵豆食品「 醸豆 テンペスト

醸豆(JYOZ/ジョウズ)は、「アラネア発酵」という革新的な技術によって作られる植物性食品です。アラネア発酵とは、旨味成分(グルタミン酸)の向上や苦み成分(アルカロイド)の減少など、生食にも加熱調理にも最適となるハッコウホールディングス独自の技術。同社は、たんぱく源としての豆類に着目し大豆と同等のタンパク質量を持つ食用ルピナス豆の国産化に取り組み、大豆や豆類の根粒菌による温室効果ガスの削減研究を東北大学との共同研究契約で進めるなど、技術的な取り組みを背景に食の安心・安全と多様化に寄与するスタートアップ企業です。


話をアラネア発酵に戻しましょう。この発酵方法によって得られるメリットは3つあります。一つ目は、豆類を皮ごと発酵するため、消化吸収が良く、豆丸ごとの栄養価を摂取することが可能となるということ。胃や小腸などの消化器は他の臓器と比べると加齢による影響が少ないといわれていますが、少しずつ能力は低下していきます。また年齢問わず体調がすぐれない時に食物繊維や脂質を摂取すると、胃腸に負担がかかることに。つまり、消化吸収が良い「醸豆 テンペスト」はいかなるシーンでも選択しやすいと言えるでしょう。


二つ目は、発酵時に大量の塩を使用する一般的な発酵とは異なり、塩を使わない無塩発酵なので塩分を気にする人にとって量を気にせずに摂取できるという点です。厚労省が実施した国民健康・栄養調査(令和元年)によると、男性は10.9g、女性は9.3gの食塩を摂取。これは世界保健機関(WHO)が推奨している1日5g未満の約2倍量にあたります。塩分の過剰摂取は、高血圧や胃がんなどのリスクが高まり、むくみなど日常バランスにも大きく影響が出てきますから、これ以上増やす食材は避けたいところ。「醸豆 テンペスト」なら安心です。



そして三つ目は、様々な形状で使うことができるために、普段のメニューに気軽に追加するだけで発酵食のメリットが得られる点です。「醸豆 テンペスト」は、そのまま肉や魚の切り身のように使える他、手でつぶせばひき肉のような形状にすることができます。また、小口切りのサイズにして揚げ豆腐やチーズのように活用するのもオススメ。アレンジがしやすいという強みは、無理ない健康食を実践する上で大きな存在感を発揮してくれることは間違いありません。


たんぱく質食材に新たな選択肢を~発酵がますます注目される理由

発酵食品と聞くと日本ならではの食文化ではないかと想像するかもしれませんが、実はそうではありません。チーズ、ワイン、ナンプラー、アンチョビ、ザワークラウト、ナタデココ……海外にも多種多様な発酵食品が存在し、長く広く愛されています。


それでは、なぜ発酵食品がここまで世界中で愛されているのでしょうか? ヘルシーだから、という答の枠にははまりきらず、主に3つの理由がありますのでひとつずつ見ていくことにしましょう。


①保存性が高まるから


微生物界の基本ルールとして、ある環境下で特定の微生物が一定数以上いる場合、他の微生物が繁殖しにくいということがあります。つまり、発酵菌が優位な状況では腐敗の原因になる微生物が増えにくく腐りにくいのです。また発酵菌が作り出す乳酸、酢酸、アルコールには殺菌効果があるため、雑菌の増殖を防いで長期保存が可能になります。イタリアなどでクリスマス時期に食べられる伝統菓子「パネットーネ」が、未開封であれば常温で2か月から半年ほど日持ちがするのもこの理由によるものです。


お皿に乗った大豆

2050年には深刻なたんぱく質不足や水不足、世界的な環境問題など、人類が直面する課題がさらに浮き彫りになると予想されています。今後私たちは、たんぱく源を堅実に選んでいくことが求められるようになるでしょう。そしてこの視点で考えていくと、植物性食品への期待はもちろんのこと、様々なメリットをもたらす発酵食品の可能性はますます大きくなっていくに違いありません。



ハッコウホールディングスではこれらの大きな問題を解決するために、豆の開発と独自の発酵技術を組み合わせることで、未来の食を明るく豊かにしていくことに挑戦しています。


次回は、醸豆がどのような食品なのか?味や香り、食感などをご紹介しながら、誰でも簡単に実践できるおいしいレシピをお届けしていきたいと 思います


スギアカツキ

食文化研究家。長寿美容食研究家。

東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、独自で長寿食・健康食の研究を始める。食に関する企業へのコンサルティングの他、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどで活躍中。