不溶性食物繊維をたっぷり含んだ切り干し大根サラダで便秘知らずの体調に!

不溶性食物繊維をたっぷり含んだ切り干し大根サラダで便秘知らずの体調に!【ていねいじゃない生活vol.3】

仕事や育児、子育てなど日々こなさなければいけない「タスク」が多すぎて1日が慌ただしく過ぎていくだけ……と感じている人も少なくないのでは? そしてつい周りと比べてしまって「ちゃんとできていない自分はダメなのかな?」と罪悪感を持ってしまうことも……そんないつも一生懸命な人に向けて「こうすればラクにできるよ!」という毎日の生活で実践できるちょっとした小ネタを伝授します。「ていねいじゃない生活」、上等!


先日、朝からやけに便通と排便の状態も良い日がありました。その日は月経の一週間ほど前。PMSを発症してしまう体質なので、一週間ほど便秘になることが毎月のパターンです。本来であれば全身が浮腫んで、気分も上がらないはずなのに、この日はすっきり。


「こういうときはここまで食べたものが、便通に影響しているはず……?」


そう思った私は昨日までの食事を一通り書き出し、食べ慣れていないもの、新しく食事に取り入れた食材を探りました。


「ん? ひょっとして切り干し大根?」


便秘解消までの3日間ほど連続して食べていたのは、どんなスーパーでも売られているあの“切り干し大根”だったのです。今回は食物繊維も豊富な切り干し大根についてお伝えします。

栄養たっぷりの切り干し大根

一般的には煮物として知られている切り干し大根ですが、実は生の大根よりもはるかに栄養価が高い食材です。


生の大根が100gに対して含まれている栄養素はカルシウム23mg、カリウム230mg、葉酸34μg、食物繊維1.3gが一般的な含有量です。これに対して切り干し大根はカルシウム500mg、カリウム3500mg、葉酸210μg、食物繊維21.3gで、数値を見るだけでも、確かな栄養素を確認できます。


加えて乾物なので、うまみもたっぷり。切り干し大根に限ったことではなく、すべての乾物に言えることなのですが、生の食材を乾燥させることでイノシン酸やグルタミン酸という、うまみ成分が凝縮されるため、出汁などに使われることも多々。


乾物というと昔からの保存食もイメージもありますが、実は簡単に栄養が取れるかしこい食材。積極的に食事へ取り入れていきたいですね。


不溶性食物繊維がたっぷり

切り干し大根の作用としては、不溶性食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境を整えてくれます。食物繊維は水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に分けられ、それぞれ体の中での働きが異なります。


不溶性食物繊維は、根菜類やきのこ類、繊維の硬い野菜(たけのこなど)、豆類などに含まれます。体に吸収されず便となるため、便の量を増やして腸管を刺激し、腸の運動を活発化させ、便通を整える働きをします。


サラダ感覚の調理法が便秘解消に効果てきめん

さて、私が便秘解消を覚えた切り干し大根の調理方法ですが、サラダ感覚の副菜にしたものでした。切り干し大根というと「体に良い食材だけど、味付けとか調理に時間がかかりそう。丁寧な生活を送っていそうだな」と思われがちですが、私が普段食べている切り干し大根の調理法がいたってシンプルです。


まずは100gの切り干し大根を30分かけて水で戻します。千切りにしたピーマン3個を500Wで2分ほど電子レンジで温めます。そこに、ごま油、塩昆布、擦り生姜、白胡麻を適量に加えて和えただけです。多めに作って冷凍保存すれば毎日の副菜として食べられます。さらに、余裕があるときは切り干し大根のもどし汁で白米を炊くとうまみがあってとてもおいしいのでおすすめです。


他にも醤油とマヨネーズ、砂糖、塩胡椒、みじん切りにした玉ねぎ、千切りきゅうり、にんじんと和えるのもおすすめ。お酒のおつまみとしても相性バツグン。簡単なのに栄養価も高くて、なんとなくていねいな生活を送っているように自分でも錯覚してしまう切り干し大根。ぜひお試しあれ。


参考文献・サイト

e-ヘルスネット「便秘と食習慣」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-010.html


日本食品標準成分表(八訂)増補2023年


飯田薫子、寺本あい(監修)『一生役立つ きちんとわかる栄養学』(西東社)

堀池沙知子(Sachiko Horiike)

東京外国語大学卒業、一橋大学大学院社会学研究科中退。新聞社系エンタメサイトで記者を務めたのちにライフスタイル系メディア(ウートピ等)で編集者兼記者として従事。女性の健康、ライフスタイル、ジェンダーについての取材執筆を行う。