

はじめまして、大橋マキです。ご縁があって、私の日常について寄稿させていただくことになりました。今回は冬越しのレモングラスをめぐるお話。香り豊かなハーブの恵みを、暮らしのさまざまな場面で楽しんでいます。
- (冒頭の写真は「葉山湾越しに眺める富士の夕景」)
レモングラスの冬越し
私が暮らす神奈川県三浦半島の葉山町は、一年を通じて比較的温暖な海辺のまちです。先日、ずっと後回しになっていた庭仕事をようやく終えました。レモングラスの冬越しです。東南アジア原産のレモングラスですが、地際で刈り込んで株元を藁や袋などで覆ってあげると、葉山でも越冬して次の年も芽吹かせることができます。といっても、ちょっとした風の通り道や日照の違いなどでダメになってしまう年もあるので、「今年も冬を乗り越えてくれるといいな」と願って芽吹きを待つのですが……。

(写真:レモングラスを刈り取ったあと)
そんな冬越しの養生で大量に刈り取るレモングラスを使い切ることも、この季節の恒例です。草丈が1m近くあるのでかなりの量を収穫できるのですが、葉山では収穫したレモングラスを「スワッグ」や「しめ飾り」にして飾っている家を時々見かけます。

(写真:レモングラスとシャリンバイ、ローズマリーのリース)
みんな思い思いに遊んでいるなあ〜と眺めているだけで楽しくなります。私もローズマリーなどと一緒に輪っかのリースにしますが、レモングラスは乾燥するとすぐに葉が縮んで茶色く変色してしまうので、少し飾って楽しんだら、お湯で煮出してハーブバス(入浴用ハーブ)にします。煮出しているあいだも、部屋いっぱいにレモンのような香りが広がって気持ちがいいですよ♪

(写真:レモングラスのスワッグをバスタイムに)
お茶、タイ料理の旨味、アロマミストにも…

(写真:レモングラスグリーンティーは老若男女、どなたも飲みやすいです)
タイ料理でも活躍するレモングラス。我が家ではレモンの茎と一緒にレモングラスの茎も冷凍ストックして、グリーンカレーやトムヤムクンを作るときの旨味として使います。冷凍することで組織が壊れて香りや風味が引き出されるうえに保存がきくので便利です。それでも使い切れないときは、蒸留してリフレッシュアロマミストとして使います。朝の目覚めにも夕方ちょっと気分を切り替えたいときにも、シュッと顔にひと吹きでスッキリします。
食用だけでなく、嗅覚や経皮吸収などいろいろなアプローチでその魅力を私たちにプレゼントしてくれる植物たち。これもある種の「一物全体」かもしれませんね。植物の力を引き出す人間の側も“知恵”を試されるから、私たちも試行錯誤を楽しめる。素敵な関係だなと思います。
※注釈
「一物全体」:桜沢如一氏が提唱した日本の伝統食を基本とする食事法、健康的なライフスタイルをするための考え方「マクロビオティック」では、食材を丸ごと食べることで植物のもつエネルギーや栄養をバランスよく心身に取り入れる「一物全体」の教えがある。